ブルドックができるまで(野望篇)その3

バーター貿易の手伝いをしつつ
和久井青年、英車ブローカーになる

あるとき、事故で廃車になったゼファー1100が店に入って、その足まわりを売ってもらったんですね。横からクルマに突っ込まれたんで、前後足まわりは無事だったんですよ。そんなわけで前後ホイール、フォーク、ステム、スイングアーム、ブレーキまわりもゼファー1100からフル移植しました。

といってもジオメトリーとかわかってるわけじゃないですから。「ゼファー1100だったらZのノーマルよりもタイヤ太いし、フォークも太くなるからいいんじゃないの」くらいの考えで組んだわけですよ。でもフロント18インチ、リヤ17インチ、フォークオフセット45㎜のゼファー1100のジオメトリーって、わりとZに合ってるんですね。トレールもしっかり取れてて、直進安定性も悪くない。だからわりとまともに走りました。これが前後17インチだったら、トレール足りなくて直線フラフラのバイクになってたと思うんですけど。

カネがなかったせいでGSX-R純正の前後17(インチ)とか組まなかったのが、いい方向に出たんですね。なにしろ足まわり譲ってもらったあとにフロント18インチだって気づいたくらいですから。ディメンションとか、何にもわかってなかった。で、足まわりほぼゼファー1100っていう仕様のままTOF出たんです。軽ーく予選落ちしましたけど(笑)。当時はモンスタークラスがあって、その上の最高峰クラスがF-ZEROって時代でした。

F-ZEROのトップクラスが国際A級ライダー乗って1分2秒とか3秒とか、そういう時代だったですね。去年のハーキュリーズのトップクラスは58秒台で走ってたりするわけで、まさに隔世の感。で、それでレースにハマったんですか。

ところがそういうことにはならなくて、なぜか自分でショップやってみたくなっちゃったんですね。就職した年だったから、まだ18(歳)。技術もないし、独立する資金もない。働いてたショップの給料は月に8万とか9万で、アパート借りて生活費引いたらなんにも残らないわけですよ。これじゃダメだってことで、とりあえずまとめて稼いでカネ貯めようって思ったんですね。

それで勤めてたバイク屋やめて、夜10時から朝の8時までガソリンスタンドで働くことにしたんです。時給1200円で、これだと1日働くと1万2000円稼げる。とりあえず、これでカネ貯めるのが先決だと。

25日働くと30万、30日なら36万だと。単純計算で済んじゃうところが若さのいいところという気がします(笑)。

そうこうしてるうちに知り合いから、別の仕事やらないかって誘われたわけです。

その「別の仕事」って何だったんですか。

バーター貿易っていって、要は物々交換なんですよ。海外にクルマの部品もっていって、代わりに向こうからなんか見返りのものをもらって帰ってくる。そういう商売の手伝いをしないかと。

その会社はオーストラリアとの取引きがけっこうあったんですけど、当時のオーストラリアってBSAとかトライアンフとか、英車が山のようにあったんです。

元々がイギリスの植民地だったし、道路は左側通行、クルマは右ハンですもんね。バイクは右ハン関係ないけど。

そうそう。映画のマッドマックス(1979年公開)とか見てるとわかりますけど、Zもかなりの数ありました。それで貿易の仕事手伝うついでに、せっかくだから店も始めてみようかってことで、最初のショップをつくったんです。まだ21(歳)くらいだったんじゃないかな。

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