最新スペックをZエンジンに採り入れる(1)

ピスタルとの出会いで決めた
φ77/78㎜オリジナルピストン

和久井さんとこは、以前からZのヘッドチューンは極力避けるというのが基本方針でしたよね。とくにポート、燃焼室。ヘッドチューンをするくらいなら純正でより効率のよいJ系ヘッドへの換装を勧める。今回の新ピストンを組んだデモ車両のエンジンはスキッシュエリア含め、ヘッドチューンあり(ポート加工はなし)という内容になってますけど、その領域へ踏み込んだ理由ってなんでしょう。

ポート加工に関してはコストが掛かるのと、ライフ(耐久性)面でのリスクもあるので、ウチでは基本やらない方向でエンジン組んでます。性能と費用対効果、ここを考えると、あまりメリットないなというのがブルドックとしての結論なんですよ。ヘッドをやらなくても、しっかりパワーは出せますし、より上を狙うのであればJ系ヘッドへの換装という手もある。1230㏄仕様のオリジナルピストン、デモ車はポート研磨してますけど、通常のGT-MだったらJヘッド換装で全然いけちゃいますね。

ただデモ車に関しては、それだけじゃない部分も見せていくことも必要だと。

そうです。あれはあくまでもデモ車としての仕様で、全車あれでいくってわけじゃないんです。ただビッグボアの場合、スキッシュ加工はやってます。チューニングって、ひとつひとつの要素の地道な積み重ねなんで、はい、これとこれを組んで140馬力、みたいにはいかないんですよ。

ピスタルってメーカーについては、以前から知ってたんですか。

昔から知ってました。ドゥカ系のショップが使ってるのってピスタルが多かったんですよ。軽くて耐久性もあるし、パワーも出るってことで、とくにレースやってるショップなんかはピスタル使ってるところが多かったですね。地元のクルマ屋さんに行ったときもフェラーリのV12エンジン用って並んでたのがピスタルだったり。

で、当時見せてもらったピストンもいまと同じでピンボス小さく、スカート短くっていうデザインで、空冷Lツイン用のピストンなのに、すごい攻めた形なわけですよ。そのときはピスタルってすごいな、いつかZ用のピストン作れたらいいなくらいで終わったんですけど、あるときPAMSさんが「ピスタルでZ用ピストン作ったんです」って話をもってきてくれたんです。

ピスタルと取引できるメーカーがあるんだったら、ウチもオリジナルでピストン頼みたいって話になって、PAMSさんが普段あまり扱わないようなビッグボア、φ77㎜の1230㏄仕様っていうのを作ってもらうことになったんですね。過去にGT-Mを作ってきた経験で1200㏄でも街乗り案外問題ないってことがわかってたんで、さらにその上のφ77㎜とφ78㎜でいこうと。そのあたりについては迷いはまったくなかったです。

ピスタルみたいな攻めた形状のデザインがいいと思ったってことは、それまでの社外ピストンに対して、いろいろ思うところがあったってことですよね。

一番不満に思っていたのは、旧いエンジン用だからということで、ピストンも旧いスペックのまま作ってるってところ。いまの技術エッセンス、まったく入ってないんですよ。ピンボスでかいし、スカート長いしで、いいところがないんです。ピストンで一番重い部分どこかって言ったらスチール製のピストンピンですからね。それが軽量化されてないんじゃ話にならないわけです。

今回のピストンはウチとPAMS両方のピストンデータから実測して、そのデータでオーダーしたので、バルブに対するリセスの形状、角度なんかもドンピシャになってます。みんなピストントップのデザイン、バルブリセスとか、バルブに対する角度とか、ちゃんと測ってつくってると思いますよね。これがけっこうアバウトなんですよ。どれも大体で作ってあるって感じで。

そういうのもエンジンに組んでカットモデルで確認したから、よくわかります。4個セットで1個も合ってないとかざらですから。バルブに対する角度もいいかげん、リセスも安全マージンを確保するために、やたら大きく取ってあったり、深かったり。それで圧縮比11.5:1って言うんですけど、これも実測してみると11.5なんてないわけです。大体それ以下。……まあ、そんなこんなでピストンに関しては、昔から不満があったんですよ。

(笑)どんな組み方してもトラブル出ないようにっていうのと、実測で確認するやつはそうそういない(そこまで手間掛ける真面目なショップは少数派)って思われてるから、そうなってるんでしょうけどねえ。ちなみにPAMSさんとの計測データ誤差ってどれくらいだったんでしょう。

約コンマ3(0.3)㎜ですか。圧縮に関しても丁寧にやるショップさんは燃焼室の容積実測して、圧縮比が設計値になるよう面研かけて調整したりしますけど、本来なら不必要な面研はしたくないですよね。ピストンが設計データどおりになっていれば、ガスケットの厚み調整くらいでいけるはずなんですよ。実際、4輪のチューニング用ピストンはそうなってますから。

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