最新スペックをZエンジンに採り入れる(2)

チューナーの目から見た
ピスタルのすごさ

ピスタルのピストンに関しては、「裏面に切削加工がほとんどなく」「鍛造鋳型抜きっぱなしに近い構造」になっているのを和久井さん絶賛してましたけど、これはどうしてですか。

鍛造処理したピストンって、抜いたままの状態が一番強度が高い。鍛造って特性上、一番外側にある面が硬いので、切削加工してしまうと、一番強度の高いところを取ってしまうことになるんですよ。

鍛造って素材全体が硬くなると思いがちですけど、そのなかでも強度の違いってのがあるんだと。

そうなんです。ピスタルのピストンは金型の精度が高いこともあって、裏面の切削加工などは、ほとんどしないで済んでるんですよ。渋皮(鍛造型から抜いたままの金属面)をボス部分以外全部残してるってことは、一番硬い部分をそのままで使えてるってことなんです。ピストン裏を重量合わせのために削っている個体もあったりしますけど、それも本当に必要最低限。要するに型から抜いた状態で重量も形状もかなりの精度で揃ってるってことです。ひと言で言って鍛造技術がすごい。

そんなにすごいですか。

すごいと思います。とくに鍛造金型。抜き型を使っているんですが、まずブリッジの入ったあの形状を「抜く」っていうのがあり得ないんですよ。ピスタルには独自の抜き型の技術があって、あの形状にできるんだと思うんですけど、あれはほかのメーカー、どこも真似できないんじゃないですか。


「金型抜きっぱなしに近いことが逆にすごい」と和久井さんも絶賛するピスタル製ピストンの裏面。切削加工がほとんどないことがわかる

鍛造ピストンで裏面とかがっつり切削加工してあるものは、まずピストンヘッドが肉厚で重いから。で、ピストンヘッドが重いとピストン自体が首振りを起こしやすくなりますから、スカートも長くしないといけない。鍛造っていっても、結局、設計なんかは昔のまま変わってないじゃんって話になっちゃうんですよ。

ピストンヘッドが軽く、首振りが抑えられるからスカートも短くできる。ピストン重量を軽くするためにピンボスを小さくすれば、一番の重量物であるピストンピンも結果的に軽量化される。ピストン形状ってそうやって進化してきたわけですから。

それと比べて旧いバイク用の鍛造ピストン、どうなってるんだと。

現物比べてみるとそう思っちゃいますよね。

オリジナルの鋳鉄製スリーブについては。

素材はターカロイ鋳鉄のなかでも一番硬い、超々ターカロイ製。スリーブに使える材質のなかでもっとも硬度が高く、めっきシリンダーなみの耐久性があります。めっきシリンダーの場合、安全マージンを確保するためにはスリーブ自体の厚みをかなり取らないといけない。ビッグボアにしたい場合、そこがデメリットになってくるんですね。

超々ターカロイ製スリーブはめっきシリンダーに匹敵する硬度で摩耗も少ないという利点があります。銅めっきは熱伝導率を上げて放熱性を上げるためですね。オイルリークを防ぐという副次的効果もあります。

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